コンクリート打ちにおける「洗い出し仕上げ」とは?

はじめに

こんにちは。

このコラムは神奈川県横浜市の造園会社、株式会社グリーンプランニング(グリプラ)が定期的に掲載しているコラムです。

前回のコラムでコンクリート打ちの仕上げについて書かせて頂き、その中で「洗い出し仕上げ」について触れたのですが、今回のコラムではそんな「洗い出し」についてもう少し詳しく書かせて頂きたいと思います。

前回の記事では、コンクリート打ちの仕上げの種類の「金ゴテ仕上げ」、「ハケ引き仕上げ」、「洗い出し仕上げ」の3種類に焦点を当てて比較検討させて頂きました。

その中でも、

洗い出しって何?もっと詳しく知りたい!

という意見が多く見受けられました。

知らない方が多いですが、実は一番メリットが多いんですよね。

ということで、第5弾の今回は「洗い出し」とは何か?をテーマに書いていきたいと思います!

少しでも皆さんのお庭の悩みの手助けになれば良いな。と思います!

それではよろしくお願いします!

この記事はこんな方にオススメ!

・お庭にコンクリート打ちを検討中の方

・「洗い出し」は聞いたことあるけどよく知らない

・「洗い出し」について聞いたことも無い

洗い出しとは?

コンクリート打ちにおける仕上げの方法の一つです。

金ゴテ仕上げやハケ引き仕上げはコンクリートを打ってコテやハケをかけたら終わりです。

ですが、洗い出し仕上げは名前の通り、施工の手順の中に「コンクリートの表面を洗い出す」という作業が含まれます。

そうする事によって、コンクリートの骨材に含まれる「石や砂利が表面に出てくる。」これが最大の特徴になります。

無機質になりがちなコンクリート打ちの仕上げに違いを生み出すことが出来る工法になります。

日本の伝統的な工法

お寺や日本家屋の玄関でこのようなデザインを見たことはないでしょうか?

これも「洗い出し」です。

洗い出しはコンクリート打ちだけでなく、壁や床の左官技法としても昔から日本の伝統技法として存在します。

これを見ると和風のイメージが強いかもしれませんが、近年では様々な方法でアレンジされて、様々なデザインの洗い出し仕上げがありますので、洋風にもしっかりマッチします。

洗い出しは、デザイン性だけでなく生活における機能面でも沢山のメリットがございます。

洗い出しのメリット

前回の記事でも簡単に書きましたが、今回はもう少し詳しく書かせて頂きたいと思います。

滑りづらい

洗い出しは他の仕上げの方法と違って、表面に石や砂利が浮き出てきます。その為、滑り止めの効果もございます。

金ゴテ仕上げなどは表面が滑らかなので、濡れると多少表面が滑りやすくなってしまいます。

その点、洗い出しは表面が多少ゴツゴツしていますので雨に濡れても滑る心配はございません。

ゴツゴツしていると言っても、歩くのに支障が出る程ではないので生活においては問題ないです。

タイヤ痕がつきづらい

駐車場のコンクリート打ちを行なった後に、一番問題になりやすいのがこちらのタイヤ痕問題ではないでしょうか?

一般的なコンクリート打ちの手法では、普通に生活していたら割とすぐにタイヤ痕がついてしまいます。

いざコンクリートを打って生活してみたら、すぐにタイヤ痕がついてしまって「こんなの聞いてないよ!」なんて方も少なくないと思います。

また、タイヤ痕は一度ついたら落とすのはかなり難しいので、元々つきづらい洗い出し仕上げはかなりメリットだと言えます。

長年使用していたら全くつかないわけではないですが、ついたとしてもほとんど目立ちません。

バリアフリーにも最適

滑りづらいという事は、高齢者やお子様にとってもメリットになるので、バリアフリーにも向いてると言えます。

車椅子などの車輪は金ゴテ仕上げなどの表面がツルッとしているような仕上げだと、雨が降った時に滑ってしまう可能性がございます。

その点、洗い出しだと滑りづらいので車椅子でも比較的安心です。

ただ、バリアフリーとして使用する際には、表面をゴツゴツさせ過ぎないようにする。といった配慮と技術を要します。

洗い出しの施工方法

ここでは洗い出しの施工方法を簡単にご説明させて頂きたいと思います。

途中までは金ゴテ仕上げやハケ引き仕上げと同じですが、仕上げの際に一手間加わります。

手順

1、砕石を敷いてしっかり転圧する

 コンクリートの下地に「砕石」と呼ばれる砕いた石を敷いて、転圧機で圧をかけて下地をしっかりと固めます。

2、ワイヤーメッシュを敷いて結束する

 コンクリートの強度を高める為に、ワイヤーメッシュと呼ばれるものを敷いてそれらをしっかり結束します。

3、コンクリート打ちをする

 生コンクリートを流し込んで、コンクリート打ちをします。

4、コテで数回表面を撫でて、表面を整える

 ここまでは以前紹介した、「金ゴテ仕上げ」「ハケ引き仕上げ」と同じ工程です。

 この後にコテをかけて乾かしたら「金ゴテ仕上げ」、この後にハケでラインを入れて乾かしたら「ハケ引き仕上げ」になります。

5、表面が乾ききる前に液剤を全体に散布する

中が固まってきて、表面だけ乾いていない状態の時に「コンクリート表面凝結遅延剤」と言われる特殊な液剤を全体にたっぷりと散布します。

6、全体をしっかり養生して1日置く

 液剤をしっかり浸透させる為にビニールシートなどで全体を養生して、1日放置します。

7、表面を水でしっかり洗い出す

 液剤のおかげで表面だけ固まっていない状態なので、水で表面を流せば中の砂利や骨材が綺麗に浮き出ます。

8、乾かしたら完成! 

 しっかり乾かしたら洗い出し仕上げの完成です!

洗い出しは他の仕上げの方法と違い、多少手間がかかってしまいますね。

また、液剤をかけるタイミングやコテのかけ方など、普通のコンクリート打ちとは異なるので、技術がないと失敗するケースもあります。

会社によっては初めから対応してない会社もあります。

洗い出しの施工例・デザイン

無機質になりがちなコンクリート打ちですが、洗い出し仕上げを応用する事で、デザイン性を出すことも出来ます。

これも他の仕上げの方法とは違い大きなメリットの一つだと言えます。

そんな洗い出しのデザイン例を、グリプラで過去に施工した例を挙げてご紹介したいと思います。

乱形石や床石と組み合わせた例

表面に砂利が浮き出ているのが分かるでしょうか?

濡れているので全体的に黒っぽくなっていますが、白い石や黒い石など、中の骨材によって表面の仕上がりが微妙に異なります。

自然石などと組み合わせる事で和風の雰囲気が出ますね。

白い化粧砂利を混ぜた施工例

こちらは、洗い出しの砂利を浮き出す特性を活かして、あえて白い化粧砂利をコンクリートに混ぜて全体的に白が多くなるようなデザインです。

こうする事で、無機質なコンクリートが明るい表情になります。

洗い出しアプローチ

こちらは洗い出しでアプローチを作製した際のデザイン例です。

全体的に砂利よりも少し大きい黒い砂利が混ざっているので、表面に黒い石が多く浮き出ています。

大粒な砂利をまばらに混ぜた洗い出し

こちらは大粒な砂利をまばらに埋め込んで、表面に浮き立たせたデザインです。

普通の洗い出しよりも少し味のあるアプローチになります。

和風・洋風、様々なデザインに適応

洗い出しは様々な砂利を混ぜる事で、いろんな形で応用できますので、和風にも洋風にもデザインできます。

コンクリートは必要だけど味気ないのは嫌だなぁ。

なんて方には最適です。

洗い出し仕上げについては知らない方が沢山いますが、知っておくだけでお庭のデザインの幅が広がります。

コンクリートが必要だけど、グレーの無機質な感じはちょっとな。

と思っている方には最適な仕上げの方法かもしれませんね。

まとめ

ここまで読んで頂きありがとうございます。

いかがでしたでしょうか?

洗い出し仕上げを知っている事で、お庭のデザインの幅が広がり選択肢が増えます。

魅力やメリットがたくさんの洗い出し仕上げ。

ぜひ、皆さんもお庭に検討してみて下さい。

洗い出し仕上げを施工しているお庭は全国的にみても多くはないので、

他のお庭と差をつけて、オリジナルな素敵なお庭になるかもしれません。

グリプラでは数多くの現場で洗い出し仕上げを施工してきましたので、何か分からない事や気になる事がございましたらお気軽にご連絡下さい。

それではまた次回!

ありがとうございました。

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